下北沢といえば古着屋の街。サブカル好きの若者が多く集まることで知られています。
その南口商店街の片隅にあるのが、老舗の喫茶店「トロワ・シャンブル」。
オールドビーンズの珈琲豆を一杯ずつ丁寧にネルドリップで淹れるこだわりの喫茶店で、若者の心を魅了し続けるニッチな世界観を堪能してきました。
▼トロワ・シャンブルが掲載されている本
トロワ・シャンブル
トロワ・シャンブルは1980年(昭和55年)創業の喫茶店。
店主の松崎さんは長髪がよく似合う男性で、20歳頃から「サラリーマンはやらない」と決めていたというのも納得の風貌です。
神保町の有名喫茶店「カフェ トロワバグ」で修行を積んだ後に独立したとあって、
「カフェ トロワバグ」の名残が、店名についた「トロワ」の文字や、オールドビーンズの珈琲豆をネルドリップで淹れるこだわり、メニューにクロックムッシュがある点に残っているのが感慨深いところです。
(トロワバグに行くと共通点が見つけられて楽しいですよ。)
外観
サブカル文化の街として知られる下北沢。
南口の商店街は飲食店や古着屋が立ち並び、朝から学生たちの熱気が感じられます。
3分ほど歩くと、商店街の角に「おいしいコーヒーをどうぞ…」と書かれた木製の看板を見つけました。
階段を昇って2階へ行くと、木の扉の向こうに、温かな照明が灯った店の様子が伺えます。
以前、土曜日の午後に訪れたときには少し並んだのだけれど、日曜日の開店直後はすんなりと入店することができました。
内観
扉を開くと目に入るのは、夜のように薄暗い空間。
タバコのヤニが残った壁紙や、壁に飾られた西村宣造さんの絵画が、味わい深い雰囲気を醸し出しています。
昭和の時を残したような古い店なのだけれど、褐色の一枚板でてきた長いカウンターの前には、ロイヤルコペンハーゲンの珈琲カップが整然と並べられていたり、大きな百合の生花が飾られていたりと、しっかりと生の気配が感じられる。
その不思議な空間を堪能する時間は、純喫茶めぐりの醍醐味であるように感じられました。
時と場所を忘れさせるような空間なのだけれど、窓からは爽やかな朝の風が入り込みます。
静かに流れる音楽に耳を傾けながら、珈琲の香りや新聞を捲る音、頬を撫でる風を存分に楽しみました。
メニュー
トロワ・シャンブルといえば、珈琲にこだわりのある喫茶店として知られています。
珈琲豆は「カフェ トロワバグ」のこだわりを受け継ぎ、高品質な生豆を長期間エイジングさせた「コクテール堂」のオールドビーンズを使用。
挽き目と温度に細心の注意を払いながら、一杯ずつ丁寧にネルドリップで淹れることにこだわっているそうです。
店の看板メニューは、珈琲豆を深めに煎ったニレ・ブレンドと、浅めに煎ったカゼ・ブレンドの2種類。
他にも、ウィンナーコーヒーやアイリッシュコーヒーなどのアレンジを加えた珈琲や、ブラジルやコロンビアなどのストレートの珈琲もいただくことができます。
また忘れてはならないのは、珈琲のお供の軽食たち。
チーズケーキにはベイクドとレアの2種類が用意されており、珈琲とセットで950円でいただけるのは嬉しいところ。
「カフェ トロワバグ」が発祥のグラタントーストを彷彿させるクロックムッシュも気になるメニューです。
珈琲とチーズケーキ
私はしっかりとした苦味のある・ニレ・ブレンドとベイクドチーズケーキのセット(950円)を注文しました。
オールドビーンズの珈琲は芳醇な香りと深い苦みが特徴的で、ネルドリップで淹れることにより、口当たりがとてもまろやか。
ベイクドチーズケーキは程よい硬さがあり、甘さは控えめ。
あくまでも主役は珈琲であり、チーズケーキは珈琲を引き立てるような存在であることが感じられました。
店舗情報
サブカルの街・下北沢の商店街の片隅で出会ったのは、「おいしいコーヒー」にこだわりをもったニッチな喫茶店でした。
オールドビーンズやネルドリップへのこだわり、家では楽しめない特別な珈琲体験を、味わってみてはいかがでしょうか。
トロワ・シャンブル
- 創業 :1980年(昭和55年)
- 住所 :〒155-0032 東京都世田谷区代沢5丁目36−14 湯浅ビル 2階
- アクセス:下北沢駅から徒歩3分
- 営業時間:09:30〜20:00
- 定休日 :不定休
- 座席数 :32席
- 喫煙 :全席禁煙可
- サイト :食べログ
▼トロワ・シャンブルが掲載されている本
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