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川島小鳥さんの写真の魅力を語る | 心で感じる写真たち

川島小鳥さんの写真の魅力を語る

どうも、心の自由人ナツリンです。

最近もっぱら写真にハマってますが、写真に興味をもつきっかけとなったのは、川島小鳥さんの写真集との出会いでした。

ひと目見た瞬間から居ても立っても居られなくなって、写真集を買ったのは初めてのこと。それ以来、川島小鳥さんの写真にとてつもなく魅かれ、今では家に3冊もの写真集があります。

今回は手元にある3冊の写真集を元に、川島小鳥さんの魅力を語っていきます。

『vocalise』(2024年)

川島小鳥さんといえば、佐渡島に住む3歳の女の子を撮影した写真集『未来ちゃん』(2011年)が有名だけど、こちらは同時期に未来ちゃんがヨーロッパ各地に旅した様子を撮影した写真集

本屋で見たときに、とてつもなく懐かしく、愛おしい気持ちになり、突き動かされるようにして人生で初めて買った写真集がまさに『vocalise』でした。

家に帰って『vocalise』を開き、1枚1枚ページをめくるたびに、忘れかけていた、幼い頃の幸せな記憶が蘇って、写真集を見て初めて泣きました。

夏の青い空。口の周りについたアイスクリーム。ソファーの上でのジャンプ。

鮮やかな夏の光景が、記憶を呼び起こし、心が動かされるのを感じました。この感覚こそがまさに、私が写真を撮りたいと思うきっかけとなりました。

理論じゃなくて、単純な美しさでもなくて、言葉にできないものが心で感じられるかどうか。

『vocalise』という写真集は、いつでも私にそんな写真の原点を思い出させてくれる、大切な一冊です。

▼ 『vocalise』(川島 小鳥)

『おやすみ神たち』(2024年)

『おやすみ神たち』は、谷川俊太郎さんと川島小鳥さんが「魂」をテーマに挑んだ写真集。川島小鳥さんが台湾で撮り下ろした写真に、谷川俊太郎さんが綴った詩が添えられている共著になります。

本屋で川島小鳥さんコーナーを眺めていたときにこの写真集を見つけ、表紙にタマシイという言葉が綴られていることに衝撃を受けたことを覚えています。

この世での故郷の先に

あの世での故郷があるのではないか

タマシイは多分それを知っている

『おやすみ神たち』より

この言葉に魅かれたのは、何度も読んでいる『神との対話』という本に書かれている内容との繋がりを感じたからです。私たちの魂は神のところから来ていて、神に近づくために、何度も生まれ変わってさまざまな体験をしているのだという。谷川俊太郎さんはそのことを知っているのではないかと思いました。

家に帰って写真集をめくると、表紙が薄いトレーシングペーパーのような紙で作られていることに気づきました。

1枚ずつページをめくると、美しい写真と詩が交互に現れてくる。ザラザラとした質感の紙のページや、ツルツルとした薄っぺらい紙のページもあります。大切に、丁寧にページをめくり、言葉と写真を味わっていきました。

台湾の広大な風景を写した写真や、バケツや自転車など身近なものを写した写真。異国の地で出会った少年が遊ぶ様子が写された写真が載っています。

日常と非日常が交差する中で、タマシイというものが言葉にできないけれど、スッと感じられるようになる。静かな感動がジワジワとこみ上げてきて、写真集を読み終える頃にはしばらく動けなくなりました。

魂の存在に少しでも興味がある人にはぜひ読んで欲しい写真集です。静かな夜にじっくり読むと、言葉にできないものが感じられます。

▼ 『おやすみ神たち』(川島 小鳥、谷川 俊太郎)

『未来ちゃん』(2011年)

川島小鳥さんの最も有名な写真集『未来ちゃん』は、佐渡島に住む3歳の女の子の1年を撮り下ろしたもの。

私が購入した3冊目の写真集でもあります。

『未来ちゃん』の魅力は、おじいちゃんの家の懐かしさと、コロコロと変わる未来ちゃんの表情の面白さが味わえるところです。

未来ちゃんが住む家は、とにかく物が多い。壁にかけられたカレンダーやコタツ、床に転がったおもちゃ。雑然と散らかった様子を見ていると、幼い頃におじいちゃんの家で過ごした記憶がふと蘇ってきて、懐かしくなります。

一方の未来ちゃんは、いつも一生懸命に生きている。時に真剣であり、時におどけ、時に鼻水を垂らして大泣きしていたりする。そんな未来ちゃんが可愛くて、気がついたら口元がニヤけてしまっている。

だからこそ、本が終わりに近づくにつれて、未来ちゃんとのお別れが寂しくて、涙が出そうになりました。

楽しくて、幸せで、可愛くて、寂しい。全力で生きる未来ちゃんを見ながら、読む側の気持ちもコロコロと変わってしまうのが、『未来ちゃん』という写真集の魅力なのかもしれません。

▼ 『未来ちゃん』(川島 小鳥)

まとめ

私は川島小鳥さんの写真が大好きです。

川島小鳥さんとの出会いがなければ、心で感じられる写真というものがあることを知らなかったんじゃないかと思います。

今回紹介した3つの写真集は、何度も見返すほど大切なもので、いつも「心に届くものを作りたい」という衝動の原点を思い出させてくれるものです。

これからも川島小鳥さんの写真集は集めていきたいなあ、、

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!

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