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煌めく夜のイメージにアートで触れて

煌めく夜のアートたち

静かな夜の中にいると、優しく包まれるような気持ちになる。

「社会人」として生きる昼間と比べて、夜は「ありのままの自分」でいられる気がするのだ。夜のイメージに、アートを通して触れることも好きだ。アーティストたちが表現する夜は、いつも私に癒しと希望を与えてくれたから。

今回は、夜を表現した素敵な作品たちの紹介をしていきたいと思う。

『夜のカフェテラス』

まずは、ゴッホの有名な絵画『夜のカフェテラス』を紹介したい。

青い夜空に星が降る美しさ、ガス灯で黄色く照らされたカフェに人々が賑わう温かな様子、そして緑が茂る街路樹の佇まい。日常の中にある夜のイメージが美しく表現された作品だ。

子どもの頃にレストランの壁に掛かっている絵を目にしてから、私はこの作品が大好きだ。ゴッホが描く「夜」はずっと心に残っている。「夜の中に身を委ねて、ありのままの自分で過ごせたらいいのに」と思うときにイメージするのは、いつも、星が降る青い夜空と、黄色く照らされた温かな建物だった。

ゴッホは他にも夜を表現した作品を多く描いている。いつか作品集を手元に置いて、夜にゴッホの世界に浸ってみたい。

▼『ゴッホ作品集』富田 章

『月の光』

印象派の音楽家であるドビュッシーは、ピアノの音だけで夜を表現した。

『月の光』は耳にした瞬間から夜の光景をイメージさせ、ひとつひとつの音に、月の煌めきを感じる。曲を聴くときに私がいつも思い描くのは、小屋で作曲をしているときに、窓から月の光が差し込んでくる光景だ。

電球がなかった時代、月は闇の夜に光を与えてくれる唯一の存在だったのではないだろうか。『月の光』を聴くと、星というよりも、唯一の特別な存在である、月の輝きを感じるのだ。

私は孤独と不安でいっぱいだった子ども時代、電子ピアノの下に潜って『月の光』を聴くことが好きだった。親も兄弟も誰もいない時間、『月の光』は希望と癒しをくれる特別な曲だった。

マイケル・ジャクソンも自伝の中で『月の光』が好きだと語っている。暗い闇夜を明るく照らす月は、彼の存在と重なった。月のような彼の存在もまた、音楽を通して心に光を与えてくれていたのだと思う。

▼『月の光』ドビュッシー

『Man in the Mirror』

最後は私が敬愛するスーパースター、マイケル・ジャクソンの名曲だ。

『Man in the Mirror』は煌めくような美しいサウンドに、マイケルの声が優しく入っていくイントロ部分が印象的だ。この曲を聴くといつも、闇夜の唯一の光である月のような存在、マイケルを思って泣きそうになってしまう。

マイケルに出会ったのは、私が中学生だった頃、彼が亡くなったときだった。テレビで連日のように流れる音楽に惹かれて、最後のリハーサルを収めた映画『THIS IS IT』を観に行った。そして映画の最後に『Man in the Mirror』が流れるとき、彼の優しさと輝きに胸を打たれて、泣いたことを覚えている。

マイケルは月が好きだった。子どもだった私も寝る前によく月を眺めていたから、スーパースターである彼が月を愛していたことは、彼の存在を親しみやすく、身近なものに感じさせた。

『Man in the Mirror』の中で彼は力強くメッセージを伝える。「もし世界を変えたいと思うなら、まずは鏡の中を見つめて、自分を変えることから始めよう」と。

If you wanna make the world a better place

Take a look at yourself and then make a change

もし世界をより良くしたいなら

自分を見つめて変えるんだ

悲しいことが多い中でも、彼の音楽とメッセージは、いつだって光を与えてくれる。

▼『THIS IS IT』Blu-ray

まとめ

夜という暗闇があるから、「光」の存在を感じることができる。

同じように夜に一人でいると、「自分という存在」も、かけがえのないものだと一層強く感じることができる。

私はそんな夜が好きだ。夜を愛していたアーティストたちの作品も。

今回紹介した作品たちが、いつもどこかで、誰かの心の光になっているのだろうと思うと、温かな心の繋がりさえ感じるものだ。

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