古着屋が多く立ち並び、個性豊かなファッションに身を包んだ若者で賑わう街・高円寺。
1955年創業の「ネルケン」は、そんな高円寺において独特の世界観で人々を魅了し続けている喫茶店です。
アンティークの調度品が溢れる温かな空間に、創業者こだわりの音響装置から流れ出るクラシック音楽。
その魅惑的な空間の魅力を、お伝えしていきたいと思います。
▼ネルケンが掲載されている本
蔦が覆い茂る緑豊かな外観
高円寺駅から歩くこと3分。
古着屋が多い賑やかな商店街の裏路地に入ると、緑豊かなこぢんまりとした建物が目に入ります。
一見すると雑貨屋のように見える外観であるため、下調べをしていなければ通り過ぎてしまう人が多いのではないでしょうか。
外からだと薄暗い店内の様子は見えません。
「扉を開けたら不思議な世界に迷い込んでしまいそう」
そう思わせるような魅惑的な外観が印象的でした。
クラシックが鳴り響く非日常な店内
アンティークのランプにビロードの赤い椅子、ドライフラワーの装飾が美しい店内は、どこか遠い国にいるような非日常な空間。
壁に飾られた絵画や流れ出るクラシック音楽の選曲に、店主であるマダムのセンスを感じます。
日曜日の午後12時半頃、店内には3組ほどの先客がいて、かすかに人の気配が感じられましたが、
古い木材の仕切りが客同士の視線を遮るため、自分だけのほっとした時間を過ごすことができました。
マダムの手によって埃ひとつない清らかさが保たれている店内は、非日常でありながらも自然光のような明るさ。
非日常と現実の狭間を心地良く彷徨うことができる空間こそ、ネルケンの魅力なのでしょう。
上品で美しいマダムの接客
ネルケンの創業は1955年。
創業者である鈴木傳太郎さんは、オーディオが普及していなかった時代に気軽に音楽を楽しめる場所を作りたいという思いから、喫茶店を創業したのだそうです。
こだわりの音響装置から流れ出るクラシック音楽は、アナログの温かさで現代を生きる私たちを癒してくれます。
喫茶店を守り続けているのは、現在の店主であり創業者の妻である冨美子さん。
冨美子さんの丁寧な言葉遣いや上品な服装、一人でこのお店を切り盛りする凛とした姿勢には、ハッとするような美しさがあり、訪れた人々が魅了されてしまうのも納得です。
ブレンド珈琲とクッキー
今回私は、ブレンド珈琲とクッキーを注文しました。
ネルケンの珈琲は、専用のブレンド豆を手製の布でドリップすることにこだわっているそうです。
口に含んでみると、苦味と酸味が混ざり合った複雑な味わいで、後味に残るほのかな酸味の余韻がクセになりました。
ネルドリップならではの滑らかな口当たりもとても上品。
珈琲のお供には、葉っぱの飾りが乗ったシンプルな4枚のクッキーを。
珈琲の苦味がクッキーの甘さを引き立てるので、とても相性の良いマリアージュを楽しむことができました。
店舗情報
高円寺の裏路地に佇む、緑に囲われた小さな喫茶店。
中に広がる独特なアンティークの世界と壮大なクラシック音楽に身を委ねて、週末の癒しを味わってみてはいかがでしょうか。
ネルケン
- 創業 : 1955年(昭和30年)
- 住所 : 〒166-0003 東京都杉並区高円寺南3丁目56−7
- アクセス: 高円寺駅から徒歩5分
- 営業時間: 11:00〜20:00
- 定休日 : 無休
- 座席数 : 36席
- 喫煙 : 全席禁煙
- サイト : 食べログ
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