こんにちは、凛子です😊
先日は、渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムにて開催中の「マリー・クワント展」に行ってきました。
マリー・クワントといえば、日本ではデイジーマークの化粧品ブランドとして知られていますが、
1960年代にミニスカートを生み出した、イギリスを代表するファッションデザイナーでもあります。
マリー・クワントが生み出したファッションは、カラフルで自由かつ、飛び切りキュートで魅力的。
今回の投稿では、展覧会を通して学んだマリー・クワントの革新性と生き方について、お話していきたいと思います。
マリー・クワントとは
マリー・クワントは、1960年代にミニスカートをはじめとする斬新なファッションを生み出した、イギリスのファッションデザイナーです。
マリー・クワントが流行させたファッションは、エレガンスな装いが好ましいという考え方や、階級意識に縛られた当時の価値観に衝撃を与えました。
現在、私たちが好きな色の洋服や、丈が短いスカートを自由に着ることができているのは、マリー・クワントの功績のお陰ともいえるのです。
「マリー・クワント展」では、ヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)から来日した約100点の衣服を中心に、マリー・クワントの小物や写真、映像等が展示されています。
展覧会を通して、1955年から75年にかけてのマリー・クワントのデザイナーとしての活動や、時代を切り開いた起業家としての歩みを辿ることができます。
マリー・クワントの革新性
それではまず始めに、展覧会で紹介されていたマリー・クワントの3つの革新性について、お話したいと思います✨
斬新なデザイン
マリー・クワントは、自由で斬新なファッションを生んだ点で革新的でした。
1955年、当時25歳の若さで、ロンドンのチェルシー地区に、若者向けのブティック「BAZAAR(バザー)」を開店。
子供の頃から大のファッション好きで、美術学校で基本的な技術を身に付けたクワントは、洋服作りにおいて独自のセンスを余すことなく発揮します。
自分自身が着たいと思う服を自由にデザインすることで、ミニスカートやカラータイツなど、斬新なファッションアイテムを次々と生み出していったのです。
エレガンスな装いが好まれた時代に、クワントが生み出したファッションや奇抜なウィンドウディスプレイ、ジャズが大音量で流れる店のスタイルは瞬く間に若者の心を掴み、「バザー」は大人気の店となりました。
ジョン・レノンら有名人もこぞって来店したといいます。
1960年代は、伝統と階級意識が根強い英国で、若者たちがストリート発の流行を作り出した「スウィンギング・ロンドン(躍進するロンドン)」の時代。
反抗的なファッションを生んだヴィヴィアン・ウエストウッドや、細身のスーツに代表されるモッズ・ファッションを流行させたビートルズらとともに、クワントは「スウィンギング・ロンドン」の象徴となったのでした。
ビジネスの先見性
ビジネスの先見性があった点でも、マリー・クワントは革新的でした。
1960年代前半に入ると、夫のアレキサンダー・ブランケット・グリーンや、友人であり実業家のアーチー・マクネアら有能なビジネスパートナーに支えられ、アメリカやオーストラリア、アジアにまで事業を拡大。
また、ブランドロゴの先駆けとなるデイジーマークを商標登録し、現地企業に生産と販売を任せるライセンス契約を取り入れることで、より多くの女性が手に入れられる既製服の量産体制を実現しました。
クワントは、より多くの女性が、自身が手掛けた服を安く手に入れることに価値を置いていたのです。
さらに、PVC(ポリ塩化ビニール)によるレインウェアや、ジャージー素材のドレスをヒットさせるなど、新素材を積極的に活用することで、消費者の選択肢を広げました。
ビジネスの面で果敢な挑戦を続けたことも、マリー・クワントの功績の1つだと言えるでしょう。
新しい時代の女性像を体現
新しい女性の役割を率先して果たしました点でも、マリー・クワントは革新的でした。
1966年、輸出振興の業績が認められて大英帝国勲章を受章した際に、自身が手掛けたジャージー素材のアイテムを着用して式典に臨む姿は、世界中の誌面の一面を飾りました。
ヴィダル・サスーンによる印象的なショートカットで、自らがデザインした服を着こなす姿は大きな広告力を発揮し、「マリークワント」というブランドのイメージを確固たるものにしました。
また、パンツやジーンズ、スーツや軍服などの男性的なアイテムを、女性服として魅力的に仕立て上げることで、ジェンダーや階級意識などのステレオタイプに果敢に立ち向かいました。
モデルとして起用したツイッギーのスキニーな魅力が人気を博すなど、新しい時代の女性像を生み出すプロデューサーとしての役割を果たした点でも、マリー・クワントは時代の一歩先を行く存在だったと言えます。
展覧会から学んだこと
ここからは、私が「マリー・クワント展」から学んだ3つのことをお伝えしたいと思います🌼
既成の価値観に捉われない想像力
マリー・クワント展を通して、既成の価値観に捉われないことの大切さを知りました。
クワントが作り上げたファッションは、コンパクトなシルエットやカラフルな色遣いが、当時の他のファッションとは全く異なっていて、今を生きる私が見ても新しさを感じます。
スーツや軍服の生地を使っているのに、クワントの洋服はキュートで少女らしく、女性と男性の相反する魅力が見事に織り交ぜてあるように感じる点でも斬新です。
「女性は淑やかに、男性は逞しくあるべき」とされた時代の中で、固定観念に縛られず、自分自身の価値観を強く信じていなければ、「中性的」で「子供のように自由なスタイル」のファッションを表現することはできなかったのではないでしょうか。
さらには洋服に「イングランド銀行」や「倹約家」など、ファッションとは全く関係がない、男性社会の象徴のような名前を付けてしまうなど、クワントのウィットに富んだ姿勢も目を見張るものがあります。
女性はかわいく、強く、知的であるべき。
クワントが描いた女性像は、私の憧れであり、想像力に刺激を与えてくれる存在です。
実直さは言葉と表情に表れる
展覧会で学んだ2つ目のことは、「人の思想や性格は、言葉や表情、ふとした瞬間の立ち姿にさえ表れる」のだということです。
「大人になりたくなかったのも、ミニスカートと関係があるのかも。」
大人になったら、髪を巻いてネイルをして、エレガントであることを表現しなければならない。
ドキュメンタリー映像の中で、クワントはそんな型に縛られた生き方が嫌で、いつまでも子供のような自然さをもっていたかったと言っていました。
私は世間と価値観がズレていると感じたときに、自分自身を疑ってしまうことが多いのですが、クワントの率直な言葉を聞いて、自分の考えを信じてもいいのだと思うことができました。
ビジネスパートナーで夫のアレキサンダー・ブランケット・グリーンと共に、街を笑顔ではしゃぐ写真には、クワントの無邪気さと真っすぐな性格が感じられます。
自分の心に素直な人の生き方は、言葉や表情、立ち姿にまで表れるのだということを、知りました。
そして正直な心は、アクセサリーのように人を魅力的に見せるのだということも、クワントが教えてくれたように思います。
遊び心をもつことの大切さ
展覧会で学んだ3つ目のことはは、遊び心をもつことの大切さです。
マリー・クワントのファッションは、少し反抗的な要素を秘めています。
膝上20センチのミニスカートや、女性用のパンツスタイルなど、当時としては斬新な試みが多かったのです。
反抗的でありながらもクワントのファッションが広く愛された理由は、どんな時も「遊び心」を大切にしていたからでしょう。
カラフルな洋服に元気なミニスカートは、見ているだけで気分を高揚させ、「今、人生を楽しんでいる」ような気分にさせてくれる魅力があるのです。
楽しくてエッジが効いた服だからこそ、ジェンダー規範や階級意識に軽やかに意見することができる。
クワントの洋服を見ることで、攻撃性ではなく「遊び心」によって時代の価値観に抗うこともできるのだということを、知ることができました。
まとめ
展覧会で学んだマリー・クワントの魅力についてお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか?
「ミニスカートに、ベレー帽とタイツ、グローブを加えるとキャッチーな魅力が出せる」
「ベストやシャツという男性的なアイテムも、細身のシルエットで女性らしさを、丈の短いスカートでフレッシュさを加えればキュートな仕上がりになる!」
直にマリー・クワントの洋服を見ていると、ファッションに対する理解や想像力がグングン深まっていくように感じます。
マリー・クワントにすっかり魅了された私は、展覧会で自伝「マリー・クヮント」を購入しました。
こちらの書籍はAmazonでも販売されているので、気になった方はぜひ一読してみてくださいね!
本を読み終わったら感想を投稿するので、こちらもお楽しみに🤗
また、渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムでは、2023年2月14日(火)~4月9日(日)に、次の展覧会「マリー・ローランサンとモード」が開催されるとのこと。
マリー・ローランサンが描くグレーとピンクの絵は、スタイリッシュでハイセンス。
こちらの展覧会もすごく楽しみです…!!
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました🥰
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